司法書士ができる事業承継サポートとは?

司法書士ができる事業承継サポートとは?

事業承継は、単なる財産の承継だけでなく、経営の承継や組織再編、税務・法務など多岐にわたる要素が絡む複雑なプロセスです。司法書士として、どのような形で事業承継をサポートできるのかを解説していきます。


目次

1. 司法書士が担う事業承継支援の役割

事業承継には「親族内承継」「MBO(マネジメント・バイアウト)」「第三者承継(M&A)」などの方法がありますが、司法書士は主に以下の役割を担います。

① 株式の承継支援(名義変更・種類株式の活用)

  • 会社法に基づく 種類株式(黄金株)の活用 による支配権の調整
  • 株式譲渡、贈与に伴う 株式の名義変更
  • 株主間契約の作成サポート等

② 会社の組織再編サポート

  • 持株会社化(ホールディングス化) によるスムーズな承継
  • 合併、会社分割による 経営資源の整理
  • 株式交換、株式移転による株式の移動

③ 定款変更・機関設計

  • 承継後のガバナンス強化(取締役会・監査役の設計)
  • 事業承継に向けた定款変更(例:株券の廃止、その他の規定の見直し)

④ 信託を活用した事業承継

  • 家族信託を活用した円滑な承継(例:代表者の認知症対策)
  • 信託契約の設計と登記業務

⑤ 事業承継計画の策定支援

  • 事業承継に向けたステップの整理
  • 他士業(税理士・公認会計士・弁護士)と連携した総合的サポート

2. 司法書士だからこそできる強み

司法書士は登記の専門家であり、企業法務にも精通しています。そのため、事業承継のスキームに応じた法的手続きの実務をスムーズに進めることが可能です。また、他士業との連携を前提とした「ワンストップサービスの構築」も強みとなります。

司法書士の強み
会社法・相続に関する実務に強い
種類株式・信託・組織再編を活用した柔軟なスキーム提案
他士業とのネットワークを活かした包括的な支援


3. まとめ

司法書士は、事業承継において 「法務手続きの専門家」 として、株式承継や組織再編、信託などのスキームを駆使し、スムーズな承継をサポートできます。特に種類株式、組織再編といった高度なスキームを組み合わせることが可能です。

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